地獄少女 三鼎 第二十六話
ゆずきの初仕事のターゲットは秋恵を流した真山梓。自らも恨みのあるゆずきは初の地獄流しに相応しいと黒い笑みを浮かべるが…
町を去るつぐみ。あんたなら救ってやれたんじゃないか?と問いかける骨女に、ゆずきを救ってあげたかった。しかし、自分の中の何かがそれを邪魔をしたとつぐみは答える。
それははじめちゃんのことか?と問われるがつぐみは答えず。でも、多分図星か。
しかし、この辺ははじめちゃんに何があったかが分からないと推測不能?
あいとの因縁で見えてたのなら、ゆずきが地獄少女になったら見なくて済むようになるのか?
その依頼者の秋恵の父が藁人形を返却。ゆずきは収まりがつかず、なら自分の手で流してやると暴走。もちろん、地獄のお偉いさんがそんなことを許すはずもなく。
あいですら、400年前の恨みを忘れられず柴田親子を地獄に落とそうとしたくらいなんだから、ゆずきがこうなるのも当然と言えば当然。つーか、地獄のお偉いさんもあいの件でわかってんだから対策ねっとけよ。掟を破ったからすぐ処刑って短絡な。ま、これじゃただの悪霊や怨霊の類になっちゃうんだけど(--;
ゆずきを救ったあいは、その理由を淡々と。
人は弱い。どんなときでも自分を守ろうとする。
ゆずきが餓死したのは誰も助けてくれなかったから。だが、ゆずきも最初の頃、地獄流しのターゲットを知りながら、それを見殺しにしてきた。それをどうしようもないから仕方がないと言うのなら、ゆずきの死も仕方がないで済まされてしまう。
周りの人間にはどうしようもなかった。だから仕方がない。そう断じつつも、あいは死に逝く幼いゆずきに涙を流す。ゆずきの涙はあいが自分の死に涙を流してくれた初めての存在だと気づいたからか。
一瞬、幼いゆずきを助けるのかと思ったが、あいにそこまでの力はないよな。
秋恵の父が梓を流さなかったのは、梓が父の看病をしている姿を見たから。梓は既に地獄に堕ちることが確定している。罪に対する罰は受けている。今、梓を失ったら何の罪もない父親が自分と同じ苦しみを味わうことになる。そもそもこの親子が苦しんでいるのは、自分が事件をもみ消したから。つまりは自業自得と。
そして、それは孤立無援で必死に母の看病をしていたゆずきの姿。梓は糸を引いてしまったゆずきに他ならない。
ゆずきの代わりに裁きを受けるあい。人の世の恨みが消えぬ限り永遠に仕事を続けることになる。もう二度と解放されることはない…
成仏していくゆずきにあいは口づけし、自分の過去を見せる。自分とよく似た境遇のゆずきを救ってあげたかった。再び目を開けたゆずきの瞳は元の青に。全てはゆずきの行動を見越した上でのあいの自作自演?
地獄少女候補になった以上、地獄少女になるか現世と常世の間を彷徨うかの二択だったゆずきを成仏させてあげるにはこれしか方法がなかった?
ありがとう、と言い残してゆずきは成仏し、青い彼岸花の川も鳥居に吸い込まれるように消えていく。これでこの町に開いた地獄の門も閉じたのか?
父が死に、梓は脳天気に帰国した父の仇を自らの手で刺殺。それに間髪入れずに梓は流される。流したのは秋恵の家のお手伝いさん?
人の世に恨みが尽きることはなく、そして恨みがある限りあいが解放されることはもうない。人が地獄通信を必要としなくなる日は、多分、来ない…
・総評
第一期はあいの物語、二籠はあいの解放、そして、三鼎は地獄通信の肯定?
三鼎は延々と理不尽な地獄流しを見せてきたから、てっきり地獄通信の全否定に来るのかと思ってたら、まさか、全く別の結論に達するとは…でも、肯定と言っても24話でつぐみが語っていた「日々を生き抜く希望として」であって、地獄流しそのものではないわけだけど。
全てはゆずきを救いたかったあいの計画通り?ゆずきを救い、更に地獄少女の業を他者に背負わせることを嫌って、永遠にその業を背負っていく覚悟の上での行動か。もう、二度とゆずきのような悲しい地獄少女候補を生み出さないために。
だが、そんなあいの自己犠牲もせいぜいが対症療法。死後の苦しみは減っても、人の世の苦しみは減らず恨みを生み出していく。あいが解放される日が来ることを信じたいけど…それが無理だと心の中では断言してしまっているのが鬱過ぎる。「どうしようもないから仕方がない」ってそんな無情な(T-T)
カタルシスって何?空前絶後の憂鬱アニメ…その地位はますます不動の物に。
スタッフの皆様、憂鬱なひとときをありがとうございました。えっと、はじめちゃんになにがあったかは第四期までお預けですか?
ストーリー:5
キャラクター性:4
画:5
演出:5
音楽:5
総合的な評価:5
総合点:29
| 固定リンク
| コメント (0)
| トラックバック (11)
最近のコメント