RD 潜脳調査室 第十一話
久島からチケットをもらったバイオリンコンサートでその素晴らしい演奏に感動したミナモ。そのバイオリニスト・一ノ瀬は久島に憧れてバイオリンを始め、久島からバイオリンを譲り受けていた。
そのバイオリンを今日来なかった久島に返して欲しいと頼まれたミナモだったが、久島は受け取りを拒否。仕方なく一ノ瀬に返しに行けば彼からも自分にはこれを持っている資格がないと受け取りを拒否されて…
天才的な演奏を行っていながら、自分には才能がないとバイオリニストを辞めた久島。そのバイオリンを譲り受けた一ノ瀬はこのバイオリンに恥じない演奏をしようと努力し、ついに納得のいく技術を身につけたが、それを久島に聴いてもらおうと招待状を送っても結局今まで一度も久島は会場に現れず。
自分の演奏はまだまだ久島に認めてもらえていないのだと嘆く一ノ瀬を励ますミナモだったが、老いた自分にはもうこれ以上の演奏は出来ない。この前の引退コンサートが自分が到達しうる最高の演奏だったのだと告げられて言葉を失う。
一方の久島は、波留にバイオリンを辞めた理由を尋ねられて、才能とは円周率演算のような物。ある程度の桁数以上は実用上ほとんど意味がない。それでも尚、それを追求し続ける熱意、情熱、愛を持ち続けることなのだと語り、自分はバイオリンに対しそれがないのだと答える。
どんなにうまく演奏できたところで、それに対する愛がなければ、それは理論とその実践に過ぎず、そんな物には何の価値もない…言いたいことは分かるんだけど、それを伝えずに拒否し続けるだけじゃ一ノ瀬はいつまで経っても久島の真意を知ることが出来ないわけで。
自分には一ノ瀬の演奏を聴く資格もないとか、自分の存在やその考えを伝えることは一ノ瀬の才能に害を及ぼす火も知れないと思っているのか?
まさか、もうバイオリンに興味はないからコンサートに行くのは時間の無駄だとか思っている訳じゃ…
ミナモのたどたどしい縦笛を聴いて、再びバイオリンを手にした一ノ瀬。技術の追求だけではなく楽しんで弾くことを思い出せたのは幸いだったかな。
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