灼眼のシャナII 第二十一話
何度爆砕しようとその度に全くの無傷で立ち上がるサブラク。いつ終わるとも知れない戦いに疲労の色を隠しきれないヴィルヘルミナにサブラクは更なる猛攻をかける。そして、ついにその刃がヴィルヘルミナを捕らえたと思った刹那。二人の間に炎が割って入る。その色は紅蓮!
奇襲を受けて瀕死のはずだったシャナ。スティグマによりその傷は更に広げられ、これだけの時間が経過すれば戦闘どころか絶命していてもおかしくはない。それがこれほどの戦闘力を維持してこの場に現れたことに動揺するサブラクの前で、今度はヴィルヘルミナが自らの体にリボンを巻き付ける。その表面に自在式が浮かび上がると共に止血され塞がっていく傷。それはスティグマが無効化された証。
度重なる戦闘の中でヨーハンがスティグマを研究し、編み出しつつあった自在式。彼が倒れた後、その研究を引き継いでいたヴィルヘルミナは、この戦闘の中で、調整を重ね、ついにその自在法・スティグマ破りを完成させていた。それはヴィルヘルミナとエンゲージリンクとの友情の証にして、その集大成と言うべき物。
ヴィルヘルミナにとって、スティグマを破ったことそのものよりも、ヨーハンの自在式を完成させ、その仇にヨーハンがいかに優れた自在師だったのかを思い知らせることが出来たことの方が余程嬉しいに違いない。
スティグマを破られたとは言え、無尽蔵の耐久力の物を言わせ、消耗戦なら先に力尽きるのは常にフレイムヘイズだと余裕を見せるサブラク。しかし、悠二はその異常な耐久力の秘密を看破していた。
ザロービが5体に分裂することで存在の力を分散し、感知しにくくしていたように、サブラクも街全体に自身を拡散させて存在の力の濃度を薄め、感知されにくくしている。だから、広範囲同時奇襲攻撃も可能だった。そして、今姿を見せているサブラクは所詮全体のごく一部に過ぎず、その程度を失ったところですぐに全体から力を集めて再構成することが出来るただの人形。
しかし、サブラクの知覚を担っているのはその人形で、巨体の全てを把握できていない。だからこそ広範囲奇襲攻撃は初回の一度きり、それ以降は目の前の敵との戦闘にかかりきりとなり、他は放置せざるを得なくなる。
そして今、ヴィルヘルミナと交戦している以上、シャナとマージョリーは野放し状態で、人形の感知範囲外ならば何をしても気付かれることはない。
本来、最初の奇襲攻撃でスティグマを受けた者は放置していればそのまま死ぬか逃げるかの二者択一だった。スティグマが破られたからこそ出来たこの隙こそ、逆転の足がかり。
人形ごとサブラクが浸透している街の一角を切り離し、他から存在の力を吸収して再生できないようにしてから、それをシャナの渾身の一撃で爆砕するという荒技でついにサブラクは撃退された。
雪辱戦に勝利したヴィルヘルミナは感無量だろうな。トドメはシャナに譲ったけど、あれほどの大火力攻撃を自分自身じゃ行えないんだから仕方ない。スティグマを破った時点で雪辱の大半は晴らしたわけだし、勝利したという結果が重要なのであって、誰がトドメを刺したかなんてさしたる問題じゃないし。
そんな戦いの影で、マージョリーさんが死んだ後の事なんて考えられない。俺はあなたを生かすために全力をかけたいんだ、と不動の決意を佐藤。自分はこの街を守るために戦うんだと自覚した悠二。その悠二の姿を見て、いつもの悠二が戻ってきたと喜ぶ吉田さんとシャナ。千草も回復して、決意も新たにいつもの日常へ。
アラストールもお墨付きを与えた悠二の能力。フレイムヘイズに同行する者として申し分ないどころか必要とされる者にまで成長した彼が選ぶのは…
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コメント
今更だがサブラクのあの妙な絶叫はどうにかならなかったのか
投稿: キハラ | 2012/01/16 01:31
>キハラさん
DVDの映像特典でのはっちゃけぶりをみるに、あれが地なのかも…
投稿: 藤ゆたか | 2012/01/19 23:26