CLANNAD -クラナド- 第十三話
真理を探究する物は傲慢であってはならない。化学の言葉で語り得ないからと言って奇跡を笑ってはならない。この世界の美しさから目を背けてはならない。それはことみの父の言葉。
どうして私は「ことみ」って言うの?その質問にことみの父は答える。
この世界を形作っているのは目に見えない程小さなたくさんのハープだ。ハープは琴とも言う。世界はハープで満ちていて、それぞれが異なった音を奏でている。そうしてあらゆる音が複雑に響き合い、たった一つの調べが生まれる。だから世界はこんなに美しい。
それを母はたしなめる、なんでも大げさに話したがるのはお父さんの悪い癖。本当に大切な物はいつでもとっても簡単なことなの。ことみちゃんはことみちゃん。とても綺麗な3つのひらがな。お父さんとお母さんの大事な大事な宝物。
自分の家と芝生の庭とお父さんとお母さん。それがことみの世界だった。
庭に迷い込んできた朋也がお友達になってくれて、世界が一つ大きくなった。
お誕生日に両親にクマのぬいぐるみをねだった。本当は何でも良かったけど、本に女の子はぬいぐるみをほしがる物だと書いてあったから真似をしてみただけだった。
しかし、両親は急な仕事でお誕生日に家に居られなくなった。「お父さんもお母さんも大嫌い」それが両親に告げた最後の言葉になるなんて思いもしなかった。
お誕生日。ことみは一人だった。家政婦は病気でお休み。友達を連れてくると約束した朋也も何故か来なかった。代わりに来たのは「悪者」で両親の乗った飛行機が海に墜ちたのだと告げる。大事な論文と共に。父の書斎に控えがあるかも知れないという「悪者」の言葉をことみは拒絶した。
良い子になるから両親を返して欲しい。その願いを神様は叶えてくれなかった。だから、ことみは自分で探すことにした。「世界中」をくまなく。入ってはいけないと言われていた書斎でそれを見つけた。きっとこれのせいで両親は居なくなってしまったのだ。こんなものが大事な物だなんて間違っていると思った。世界の人たちなんてどうでも良かった。両親さえいれば他にはいらなかった。だから、ことみはそれを燃やした。
取り返しのつかないことをしてしまったのだと気付いたのはその後だった。罪滅ぼしのつもりで燃やしてしまった論文の代わりに両親のことが書いてある新聞の記事を残らずスクラップした。それでは全然足りなくて、両親に関連する本を見つけてはそれを切り抜いた。たくさん勉強もした。両親の研究を継ごうと思った。でも、その末に両親が世界に伝えなければならなかった言葉は他の誰にも―ことみにも真似は出来ないのだと悟った。
それでも、論文を燃やしてしまった私がそれをしなければ神様は許してくれない…
ことみの背負ってしまった業はあまりにも深くて、そして独りぼっちの世界でそれに押しつぶされそうになっている。その悲しみを知ってしまったが故に朋也はその世界から強引にことみを引っ張り出すことが出来なくなってしまう。
ことみが海外留学を承諾したと聞いて、朋也は今、自分の出来ることをすることに。荒れ果てたことみの家の庭の掃除。自分が失ってしまった思い出がそこに埋もれているのだと信じて。
一方、渚たちはことみにと譲ってもらったバイオリンをバイクとのニアミスで壊してしまい、それの修理をしてくれる店を求めて奔走。ようやく預かってはもらった物の、修理期間のめどは立たず。
果たして、みんなの気持ちはことみに届くのか?
ことみの両親が到達した世界の真理。その片鱗が朧気ながら見える気がして、Aパートのことみの独白を書き出したけど…概念的すぎて自分の言葉で言い表せない…
「琴美」でなく「ことみ」であることにその真理が濃縮されている気がするけど…
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