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2007/12/09

ひぐらしのなく頃に解 第二十二話

 車の止まる音を聞き、窓の外を見て私は愕然とした。番犬への連絡方法は富竹さんしか知らない。その富竹さんが捕まったと言うことは即ち、私たちは番犬を呼び寄せる方法を失ったということなのだ。
 富竹さんを助け出さない限り、山狗を抑えることは出来ない。とはいえ私一人で助けに行っても私まで捕まるのがオチだ。それでは梨花ちゃん達はいつまでも来ない番犬を待ったまま、いずれ捕まってしまうことになる。それどころか、彼女らはまだ計画がばれたことを知らない。今まで先手を打ってきたアドバンテージを一気に失ってしまう!

 今、私に出来ること。それは一刻も早くこの状況を皆に伝えること。私は赤坂さんとの打ち合わせ通り、電話をかけっぱなしにして、隙を見て車に乗り込んだ。しかし、焦る心は体を震わせ、それはハンドルに伝わり、満足にまっすぐ走ることさえ出来ない始末。スピードが上がらないのはアクセルをうまく踏めていないからか?そうこうしている内に山狗に追いつかれ、狙撃された私の車はタイヤをバーストさせ、崖下に転落した。

 入江からの電話のコール音が響く。1分以上鳴り続ければ緊急事態。きっちり1分と同時に私は梨花ちゃんの家から駆け出た。案の定、監視役が後を追ってくる。しかし、私の方が圧倒的に足が速い。このままぶっちぎって園崎家に向かうことも出来たが…思い直し、私はUターンして追っ手に突撃を行った。

 今日は綿流しのお祭り。さて、どうやってお姉をからかってやりましょう?沙都子との共同戦線も良いですね。そんなことを考えていたら自然に鼻歌が漏れる。
 上機嫌だった私の視界に事故車が入ってきた。あちゃ~、やっちゃいましたねぇ。て、監督じゃないですか?とりあえず病院へ、と言ったところで、監督から診療所は困る。園崎家へ向かってくれ、との注文が入った。診療所には監督以外の医者がいないから?でも、何故園崎家?との私の疑問は葛西の車に弾痕があるとの一言でとりあえず保留となった。訳は分からないけど、ひとまず本家に連れて行くことにした。

 本家についた私をお姉達が迎えてくれた。追っ手は?とお姉が聞くので無かったと自信を持って答える。葛西が細心の注意を払って尾行がないことを確認してくれたし、その後も後方の視界は極めて良好。なのに、外から車の音が聞こえた。
「つけられてんじゃん、詩音のバカー!!」
「つけられてないもん、お姉のバカー!!」

 標的は防空壕のような物に逃げ込んだ。扉は鋼鉄製。突破は出来ない。プラスチック爆弾はあるが、真っ昼間から使えるわけが…いや、待て。今何時だ?
 今朝から散々、今日が祭りの日であることを利用されて苦汁をなめさせられてきたが、今度はこっちがそれを利用してやる番だ。鳳7、信管を用意しろ!

 善良な市民の家を武装集団が包囲している。これはもう立派に警察に通報できる段階。詩音に言われて、市民の権利を遂行すべく電話を手に取る。しかし、何の反応もなかった。そしていきなり照明が落ちる。どうやら、ケーブル類をまとめて切断されたらしい。でも、鋼鉄製の扉は早々破れまい。爆弾なんて使ったらそれこそ…しかし、その全ての思惑があっさりと翻されてしまった。花火の音に混じって、扉が爆破される。もはや、脱出するしかなかった。

 先に降りた魅音に下から照らされ、足下を確認しながら縦穴を降りる。しかし、それでも足を滑らせてしまった。必死に横のパイプに縋り付き、落下を止める。身長が足りない。成長の遅い自分の体を恨めしく思うのは何度目かなどもはや覚えていない。しかも、この昭和58年6月を乗り越えなければ自分はもうこれ以上成長できないなんておまけ付きだ。冗談じゃない!私はもっともっと身長が伸びるんだ、そして胸だって大きくなる。こんな子供の体のままで終わるなんてまっぴら御免よ!

 圭ちゃんが自分が代わりに殿を務めると言い出した。その心意気は嬉しかったが、圭ちゃんは殿の意味をまるで分かっちゃいない。圭ちゃんにカラシニコフの使い方を教えるよりタイムロスが少ないってのは本当だし、葛西との連携を考えれば私が適任なのは言うまでもない。それにお姉から強引に奪ったこの大役。今更譲ったら、後で何を言われるか分かった物じゃないしね。大丈夫。いい女は死なないから。
 それでも渋る圭ちゃんに駄目押しを呟いてから、最後に魅音への伝言を頼んだ。「私たち、来世も双子が良いね。」

 詩音と葛西は善戦虚しく、山狗達に制圧されてしまった。そして、詩音を人質に梨花と入江の身柄引き渡しを要求してきた。仲間達が取り乱すのも無理はない。でも、梨花。この期に及んでこの僕に神としての救いを求めて何になると言うのか?僕は梨花を思いきりひっぱたいた。それは肉体を持った今だからこそ出来ること。僕に頼らずとも梨花は奇跡の起こし方を知っているはずだ。神の身たる僕に人の身たる仲間達がそれを教えてくれたからこそ、僕は今、ここに”いる”。奇跡は神が起こすに非ず。与えられる物に非ず。人の心こそそれを生むものと知れ。

 羽入に叩かれて目が覚めた。仲間達が何度も教えてくれたことを何でボクはいつも忘れてしまうのだろう。こんな弱い心で奇跡が起こせるわけがなかった。今度はボクが奇跡を起こして仲間達を助ける番なのだ。今、ボクが出ていかなければ詩音は殺される。でも、ボクが出ていけば詩音と葛西は助かり、そして、ボクはすぐには殺されない。ボクが殺される前に仲間達が必ず助けてくれる。だから、これはピンチでも何でもない当然の選択。ボクは信じているのですよ。にぱー♪
 仲間達の身の安全を確約しようとしない山狗にボクは言い放つ。「この私が取引に応じると言っている。ぐずぐずせずに言うとおりにせよ、下郎!!」

 しかし、小此木はボクとの約束を守る気がなかった。仲間達に追撃がかけられ、ボクは拘束されてしまった。おそらく睡眠薬入りだろう注射器が近づいてくる。でも、ボクは信じている。たとえ、ここで眠らせようとも仲間達はボクを助けに来てくれる。再び目を開いた時、目の前にあるのは愛しい私の仲間達の顔なのだと。その時―

間に合った…
梨花ちゃん
君を
助けに来た!

 赤坂!!

 いつの間にか山狗に紛れていた赤坂が注射器を持つ山狗の一人を殴り飛ばし、そして、彼の指示に従って伏せている内に、赤坂はあっという間に小此木を含めた山狗達を敗走させてしまった。カッコイイのですよ、赤坂♪

 追撃を受けたはずの仲間達も葛西の機転で窮地を脱し、逆に山狗達を追い返していた。奇跡のおかげと言ったボクの言葉を羽入は否定した。これは奇跡じゃない。みんなで力を合わせた結果だと。そうね。この程度で奇跡じゃもったいないわね。

 鷹野の陰謀を白日の下にさらし、山狗の第一陣から梨花を守りきった。48時間作戦はこの時点でその目的を達成している。さあ、次は僕たちが打って出る番なのです!富竹を奪い返して番犬を呼んでもらうのですよ!!

 詩音さんの遺言めいた言葉を前原さんから聞いて私は決心した。詩音さんに悟史君のことを話そう。いや、話さなければならない。彼女にはその権利があった。だから彼女だけに告げた。悟史君は…生きています。

 悟史君が生きている!でも、沙都子には知られるわけにはいかない。だから、沙都子の耳を塞いでみんなに告げた。診療所に行かなければならない理由が出来たと。私の目的を察したらしい梨花ちゃまと羽入という子が声をかけてくる。オヤシロ様の生まれ変わりにオヤシロ様の加護があるとお墨付きをもらっちゃったら鬼に金棒です。それ以前に悟史君が生きていると知った以上、私の前に敵なんて居ませんけどね♪


 以下、感想なのですよ。

 トミー…(T-T)
 そして、鷹野。エロスは程々にな。そう言うプレイをしているようにしか見えないよ?そのくせスカートはしっかりと押さえていたり…

 今回、「バカー」の掛け合いをはじめ、魅音と詩音の良いシーンが多かったけど、詩音のかっこよさが5割り増しの分、その反動からか、魅音のヘタレ度が5割り増しだったり。思惑がことごとく外れて逆境への打たれ弱さがモロに出たのと、詩音の前では実力を発揮できない魅音と、魅音を守るために戦える詩音の違いがはっきりと。

 しかしまあ、本来籠城なんて想定はしてなかったんだろうけど、電子機器据え付けるなら予備電源くらい準備しておけよと。ケーブル切断された途端、セキュリティも視界も遮断されちゃ何の意味もないわけで。他にも想定の甘いところがあちこちに(--;

 そもそも、追っ手が迫っているのに木戸も閉めずに歩いて避難って…あと、内緒話は小声でしましょう。洞窟って思いの外、声が反響するよ?

「いつまでもこんな子供の体のままなんて絶対御免なんだから!」梨花、これで最後なのですよ?「いつまでも」じゃないのです。それともここで死んだら、もう成長出来ないと言う意味なのですか?なんて、細かいことが気になった…

 わざわざ注射するよりも、その猿ぐつわに染みこませて嗅がせた方が早くないか?あぁ、でも、アレ赤坂か(--;

「君を」と「助けに来た」の間にタメが欲しかったなぁ、とか。

 とりあえず、最後の沙都子ちゃんのふくれっ面、かぁいかったよう。お持ち帰りー!!

 なんか、文句ばかりになっている気がするけどあくまでアニメ単体評価。尺が足りないのは分かり切ってるし、どこか削らなきゃ入らないのも承知の上。その取捨選択については頑張っていると思うのですよ?

 というわけで、不毛な原作比較は白字反転で。

「機関車は笑わない」削除はしょうがないかな。あれ、シリアスを装ったギャグだし。必要なのは富竹が捕まったという結果のみなわけで。

 鷹野の懇願ってこの辺りに入るんじゃなかったっけ?来週?まさか、カットしないよね?

「下郎!」は元々羽入の台詞。これ、羽入が言うからこそ意味があるんだと思うんだけど…梨花が言っても不遜に聞こえるよ?

 羽入、決め台詞をことごとく奪われているような…せっかく実体化したのに空気化って(T-T)
でも、梨花を本当の意味で叱りつけられるのは羽入しかいないわけで。その辺の役目は全うしているか。

 原作でも空気だったのに更に出番を奪われる圭一とレナ。見せ場を途中参戦の詩音に持って行かれて、そろそろ居なくなっても誰にも気付かれないレベルに…

 原作の超人レベルから達人レベルに抑えられた感じの赤坂。カケラ屑がなけりゃこんな物か。でも、攻撃力が減った分のパラメータは防御力に回されているよう。小此木の渾身の一撃をノーガードで受けて微動だにしないって…鋼鉄の肉体でもマスターしてるのか?

 小此木が雑魚に見えてしまうけど、それは赤坂が強すぎるんだよ?だよ?

「俺が山狗の小此木だぁーっ!!」「そりゃ良かったな。給料いくらだ!?」が無かったのが残念。でも、この状況で言ってもホントにギャグにしかならないか(--;

 次回の入江、詩音、葛西の見せ場はどうなるのかな?といったところで。

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コメント

こんばんは~~!!

今週は赤坂の名言と必殺技がカットされてしまったようですね?
赤坂の強さにもうちょっと精神的な覚悟の描写が欲しかったところです。
原作版祭囃し編を知らない俺でも知ってるくらい有名なシーン名だけに残念でした。
それ以上に圭一とレナが空気以下の存在なのには泣けました。(つД`)
悟史まっしぐらの詩音にさらに見せ場を持っていかれそうです。
残り二話なので、何とか盛り上がって欲しいです!
終わりよければ、全てよし!(#´Д`)

投稿: ジャーマン | 2007/12/09 22:56

>ジャーマンさん
 こんばんは。コメントありがとうございます。

>赤坂の名言と必殺技がカット
 その礎となる物がカットされてしまったので編み出せなかったようです(笑)
 それでも十分強いですが(^^;

>精神的な覚悟の描写
 それこそが…だったんですけどね

>圭一とレナが空気以下
 フォローが欲しいところですね。

>悟史まっしぐらの詩音
 きゅんきゅん詩音は無敵ですね。次回に期待です♪

>終わりよければ、全てよし!(#´Д`)
 ですね。澪尽し編とは違う感動のラストにご期待下さいませ♪

投稿: 藤ゆたか | 2007/12/09 23:20

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