ひぐらしのなく頃に解 第二十話
魅音が推測してくれた「東京」の内情。ボクはそれを早速、入江と富竹に話し、意見を仰いでみた。鷹野の非情な部分を知る入江は、それに納得できる部分がある様で耳を傾けてくれたが、鷹野に好意を持っている富竹はそう簡単にはいかなかった。
あなたも近日中に山狗に暗殺されると直接的な警告を発してみるも、富竹はいつもの曖昧な笑いで誤魔化すばかり。どうすれば信じてもらえるのか、そう思った矢先、思わぬ人物から救いの手が差し伸べられた。
大石、そして赤坂!?信じられない。なんで赤坂がこの雛見沢に!?
赤坂が5年前にボクが気まぐれに語った「予言」を覚えていたこと、そしてそれを大石に語ったことでそれが真実であったと確認できたこと、そして赤坂達が追っていた裏金ルートが「東京」のアルファベットプロジェクト、つまり入江機関のスポンサーの資金源であったこと…お互いの持つ情報が補完しあって、この雛見沢に巡らされた陰謀を浮かび上がらせていた。
富竹に何故これほどの情報と洞察を得ることが出来たのかと問われてボクはオヤシロ様がついているから、と答えることしかできなかった。こんな時、圭一が居たらもっと気の利いたことを言ってくれただろうに。でも、富竹はそれで納得してくれた。
ボクはみんなにこれが漫画の話ではないと打ち明けた。その日のうちに沙都子と魅音に。次の日に圭一とレナに。初めは困惑していた圭一だったが、一旦火がつけば圭一は頼もしかった。その火は瞬く間に沙都子とレナに燃え広がり、部活メンバーの志気を高めた。みんながボクの話を信じてくれる。それだけでもとても嬉しかった。
みんなもはっきりとは覚えて無くても、今までの世界の経験を生かし成長している。羽入のその言葉に救われた気分になる。ボクのしてきたことは無駄ではなかったのだ。
そのころ、鷹野にここが閉鎖されたらどうするのかとカマをかけてみた入江は、その返答を聞いて疑惑を確信に変えつつあった。
山狗の監視の目から逃れるため、ボクと沙都子、羽入は園崎家に身を隠し、倉庫小屋には僕たちの不在を悟られないよう赤坂が寝泊まりすることになった。ボク達は風邪で伏せっていることにして入江が往診と見せかけて、赤坂への食料調達と情報交換を執り行う。これで防御は整った。
そして攻撃。その切り札は監査役である富竹の持つ特権・番犬部隊の非常招集。戦闘に特化した精鋭部隊・番犬が招集されれば、諜報部隊である山狗に抗う術はない。しかし、肝心の富竹は未だに鷹野を疑いきれずにいた。鷹野の潔白を証明するために様々な方面から鷹野とその周辺を調査する。だが、集まってきた情報はいずれも鷹野の陰謀を証明する物だった。
鷹野の目論む緊急マニュアル34号の発動条件を皆に確認する魅音。それを聞いたレナの何気ない一言で、沙都子と圭一が対抗策を思いついたらしかった。ボクが死ねばいいのだと高笑いする二人を、他のみんなは呆然と眺めていた。
ボクが死んだら48時間以内に村人が全員末期発症するからその前に緊急マニュアル34号が発動される。なら、ボクが死んで48時間経っても何も起きなかったら?緊急マニュアル34号はその意味を失うのだ。鷹野の作戦の根本を破壊する起死回生の一撃だった。
しかし、ボクの死を偽装するには大石の協力が不可欠だった。下手をすれば大石とその同僚の首が飛ぶことになる。そんな重大なことを無理強いするわけにはいかない。
羽入が無責任に魅音が何とかしてくれるとか言い出したので、一旦は呆れたが、思い直してボクもそれに乗ることにした。魅音の慌てふためく様は面白かった。
沙都子を心配する村の老人達。そして、ダム戦争はもう終わった。村の子供が風邪を引いたら心配をするのが年寄りの仕事だと公言するお魎。老人達も今までの世界に学んでいたのだ。もう、沙都子を無視したり辛く当たる人はいない。
おやっさんの墓参りに来た大石。そこで毎年自分より先に来てあじさいとおはぎを墓に供えていたのが園崎家だと知り、園崎家へのわだかまりを完全に払拭する。更に鑑識の爺さまと熊谷があっさり協力を了承したことで、完全に覚悟を決めた。
鷹野の終末作戦を実行不能にする最大のトラップ・48時間作戦の準備は今ここに整った。
というわけで…凄まじいダイジェストだなと。最低限必要なシーンを何とかつなぎ合わせましたといった感じ。話としては筋は通ってるんだけど、個人の心境の変化や葛藤はほとんどカット。行間ならぬシーン間を読めと言うことか。
残り4話という事を考えるとクライマックスシーンのために他の部分を削らなきゃいけないのは分かるけど…むしろ、それでも足りるか心配だったり。全26話だったらなぁ…
赤坂に抱きついて泣きじゃくる梨花に違和感が。皆殺し編を忘れているから、これが梨花にとって何十年ぶりの再会なのは分かる。でも、それなら皆殺し編も一緒な訳で。この反応の違いはどこから?それは羽入も一緒。その赤坂の強さへの絶対的な信頼は一体どこから?
赤い炎・圭一と青い炎・レナ。この例えが出たのは良かった。
玄関先で立ち話なんてしてちゃダメだろ、入江。赤坂もそれに受け答えないでさっさと中に入っちゃえばいいのに。そうすれば入江も付いて行かざるを得ないわけで。
もうダム戦争は終わった。だからその禍根である北条家への冷遇も、現場監督への敵愾心もすでにない。だから祟りももう起こらない。お魎が茜がそれぞれ入江と大石に語ったその言葉は、即ち、祟りを容認する土壌―園崎家が自らの権威を示すために利用していた物―を他ならぬ園崎家が否定し、それを払拭したことを意味していた。だから、雛見沢ではもう、惨劇は起こらない。
黒幕だと思っていた園崎家が実は何の関係もなかった。自分は空回りしていただけだったと知り、虚脱感に包まれる大石。しかし、真実は目の前にあった。ただし、それを掴むには今までの人生を賭ける必要があった。大石の躊躇は当然。しかし、同僚達のおかげで大石は思い出す。今までもそうして生きてきたことに。大石にとっても刑事人生の集大成である最後の戦いが始まる。
以下、ネタバレ白字反転。
梨花と羽入の赤坂への態度。カケラ屑を見たならまだ分からないでも無いんだけど…アニメだけだとまるで根拠がないわけで…
ダメダメヤダヤダカット。演技でなく素で子供っぽい駄々をこねる。でも、その理由はおマセさんだったりする名(迷?)シーンなのに。今回、カットされた名シーンを挙げ連ねたら切りがないけど(--;
作戦会議で随分とおとなしい羽入。原作だと自己主張が激しすぎて、ウザイとか何様だとかさんざんな評価だったのでこれは良い改変なんじゃないかと。羽入の独壇場だった部分をみんなに振り分けることでうまくバランスが取れたと思う。
火打ち石・梨花が赤い炎・圭一に火を付け、その激しい炎がやがてより温度の高い青い炎・レナを発火させ、それによって起こった風を満帆に受けてこそ魅音はその本領を発揮する。出展が皆殺し編の沙都子救出時なので沙都子については例えがないけど、沙都子は炎を燃え続けさせる燃料かな?
大石の苦悩と葛藤は随分簡略化されてるけど、これは大石の物語じゃないのでしょうがないか(--;
で、富×鷹分が全くないんだけど次回やってくれるのか?鷹野の過去をやってこれをやらないんじゃ片手落ちだよ?
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コメント
尺の都合か、カット部分が多いのがだんだん痛々しくなってきました。赤坂が梨花の家に潜むくだりまでのシーンは個人的に非常に好きだったのですが、そこをまるまるカットが、これまたがっくし(梨花の照れもそうですが、羽入の沙都子への絶対的な信頼の言葉とか、珍しく調子に乗ってる羽入とか)
26話無いのはたしかに残念ですが、24までに終わらせるために、必死に急いでいるようで、そんな流れがどうも……。
結局これだと原作未プレイの視聴者おいてけぼりになってやしないかなぁと。なんかそんなことばっかり思ってました。
ところで、大石は連続殺人の真相について納得してる、のでいいのかなぁ?(ちゃんとした説明はなかったと思うんですよねぇ。思わないでいてほしい、とまで言及された程度で)
投稿: 空理空論 | 2007/11/25 12:18
>空理空論さん
>赤坂が梨花の家に潜むくだりまでのシーン
あの辺、梨花は仲間に信じてもらえるかどうかこの期に及んで自信が持てないで居るのに、周りは梨花(を含め仲間全員)を信頼しきっている事が示される実は重要なシーンですよね。
>原作未プレイの視聴者おいてけぼり
本筋は何とか追えますが、枝葉は置き去りですね。
>大石は連続殺人の真相について納得してる
今は緊急事態ですし、全てが終わった後でゆっくりと聞く気なんじゃないかと。
投稿: 藤ゆたか | 2007/11/25 16:57