ひぐらしのなく頃に解 第十二話
大石からもたらされた鷹野の死亡推定時間が合わないと言う情報、そしてそこから導き出された一つの仮説。それは鷹野の死は偽装で、彼女こそが犯人だという物。
その可能性を入江に尋ねてみた梨花だったが自分自身も”東京”から疑われている入江は冷静さを欠き、あり得ないと繰り返すばかり。傍らの小此木は警護を厳重にするとは言ってくれたがまるで安心できなかった。
鷹野が犯人かも知れない。その今まで考えもしなかった可能性のせいで、羽入の言うとおり、誰が敵で誰が味方かまるで分からなくなってしまった。しかもそれを見極めるために慎重に行動しているような猶予はもはやない。
翌日、梨花は風邪だと言って学校を休んだ。心配する沙都子を何とか言いくるめて登校させる。おそらく自分は今日明日中に殺される。その時に沙都子を巻き込みたく無かったから。
たとえ死んでも、時を巻き戻せば体の方は巻き戻した時点の状態に戻すことが出来る。しかし、期待を裏切られ傷ついていく心の方はどんどんすり減っていくばかり。その先に待つのは精神の死。こればかりは羽入もどうすることも出来ない。だから羽入はことあるごとに期待するなと言う。期待して裏切られれば、絶望という毒が私の心を蝕んでしまうから。でも、今出来る限りのことをしなければきっと私は後悔する。この世界はみんなで勝ち取った理想の世界なんだから。そして、この世界の先を見てみたい。
すでに諦めて次の世界のことを口にし始めた羽入と口論になりかけた矢先、小此木から電話が入った。それによると犯人は入江で今度は私を狙っているという。どちらを信じて良いか分からなかった。今、確実に味方だと断言できるのは…大石に電話すると警護の警官を派遣してくれた。これで山狗と警察の二重の警護。万が一山狗が敵でも警察が守ってくれる。
でも、まだ不安だった。もっと頼りになる信じられる味方が欲しい。そして、それは向こうからやってきてくれた。もっとも信頼できる頼もしい味方・圭一達が。電話の内容を聞かれた以上、もう隠してはおけなかった。でも、打ち明けることは巻き込むと言うこと。躊躇する私を仲間達は叱ってくれた。
私は自分の知っていることを仲間に話した。雛見沢症候群、オヤシロ様の戒律の意味、秘密結社”東京”、入江機関、山狗、自分が命を狙われていること、女王感染者である自分の死は雛見沢の死であること、鷹野の死が偽装である可能性…全てが突拍子が無さ過ぎて信じてもらえないことを覚悟していた。でも、仲間達はそれを何の疑いもなく信じてくれたばかりか、一人で悩んでいたときにはどうしても出せなかった今何をすべきか、その答えを示してくれさえした。
この素晴らしい仲間達と一緒なら必ず運命を打ち破れる!こんな素敵な仲間達を今まで信じず、相談しなかった自分はなんて愚かだったんだろう!!
羽入、かつて惨劇を起こしてしまった彼らとこの世界の彼らは違う。今更そんなことを蒸し返しても意味はないわ。水を差すのは止めて。
それはともかく、私が命を狙われているって聞いて第一声が「あんた何しでかしたの!?」って…魅音、そんな貴女が大好きよ。
岐阜に鷹野と思われている死体の死亡推定時間について調査に行っていた大石もこちらに向かっているという。大石が着いたら改めて今後のことを相談しよう…しかし、大石は姿を現すことはなかった…
不審な工事車両を見咎めた大石は、その作業員に職務質問をしようとした刹那、狙撃され同行していた熊谷ともどもあっさりとこの世を去っていたのだ。
自分が相手をしていたのはただの殺人犯でなく、人を殺すことを何とも思っていない連中なのだということを知らなかった故の悲劇。とはいえ、例え分かっていてもここまで徹底されちゃ結果は同じだったかも…
入江は細菌兵器開発には消極的でむしろ、予防薬や治療薬の開発にこそその真価を発揮しているんだけどな。典型的ないい人過ぎて思いっきり損をしているという…
濡れ衣を着せられて憤慨はするものの、小此木のことは信頼していたみたいで。鷹野のことも信頼しているからこそ疑いたくないよう。とことん裏の世界に向いてないよ(T-T)
以下、ネタバレ白字反転
今回はかなり大幅に削除されてはいるものの、最重要と思われる内容を残し、テンポ良く分かり易く再構成されているためアニメ単体としては文句のつけようのない出来だったと思う。実際、原作通りに展開するとかなり冗長に感じられたかもしれないのでスタッフの皆様にGJ!と言いたい。
が、あえて…ここから先は原作厨の戯言なのでそれでも読みたい方だけ。
梨花が防げなかった富竹の死に落胆しつつ、仲間達をこれ以上巻き込めば、死なずに済むかも知れない仲間達が自分のせいで殺されるかも知れないと恐れ、相談できずに悩む一日がほぼ丸ごとカット。
ホントに悶々と悩んでるだけなのでアニメにしたら延々と梨花のモノローグになってしまうため、カットも仕方ないが、何故、梨花が仲間に相談しないのかがよく分かるシーンだったり。
梨花の死の予感および、羽入の死の宣告削除。そしてそれに続く、自分が居なくなっても大丈夫なように部屋の整理をしながら、梨花が沙都子がいない世界なんて考えられないのと同じように、沙都子にとっても梨花がいない世界なんて考えられないのだと気付くシーンと自分が死んだ後もこの世界は続いていくこと。そしてその世界で仲間達は自分の死を嘆き、相談してくれなかったことを悔やむのだろうと思い至るシーン削除。梨花と沙都子の絆の深さがよく分かるシーンだけどこれも梨花のモノローグになっちゃうから削除は仕方ないか。
どうも、羽入の正体を秘密にしていることで彼女の内面の掘り下げが不足しているような。ウザイ、ネガティブ、水さすくらいなら黙ってろ、と言われるのも仕方ないけど、彼女には彼女なりの理由があるわけで。
ところで原作未読の方はここまで見て羽入の正体を何だと思ってるんだろう?幽霊?宇宙人?それとも看破してる?あとで巡回してリサーチしてみよう…
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コメント
おはようございます〜いつもTBお世話になってます。
上手くTBがとばないようなのでコメント失礼します。
>第一声が「あんた何しでかしたの!?」って
あの発言は噴きました。そりゃないよ魅音、、(´∀`;)
>入江
あれほどいい奴が退場とは残念です。
圭一達と一緒に戦ってほしかった。
次回が待ち遠しいです。ではでは。
投稿: tonami | 2007/09/29 07:43
>tonamiさん
いつもお世話になっております。
お手数おかけして申し訳ございません。
>そりゃないよ魅音、、(´∀`;)
実は梨花の腹黒狸さ加減を良く理解しているが故の台詞だったりして?(^^;;;
>圭一達と一緒に戦ってほしかった。
祭囃し編での活躍を期待しましょう
投稿: 藤ゆたか | 2007/09/29 10:56