武装錬金 第十六話
海水浴の楽しい時間が過ぎていく。ブラボーの悩殺!ブラボーキッスまで飛び出し、この日々は永遠に続くのではないか、そう思いそうになっていた。
しかし、斗貴子さんは剛太の出現に破滅の予兆を感じていた。
深夜の集合を聞き、またブラボーと特訓が出来ると喜ぶカズキ。しかし、ブラボーの目的はカズキの再殺だった。
カズキが元に戻る方法は存在しない、と断言するブラボー。そしてそうである以上、ブラボーには選択の余地はなかった。
「善でも悪でも最後まで貫き通せた信念に偽りなどは何一つない」
「一人でも多くの命を守る」という信念を貫き通すため、「俺は悪にでもなる」と自分の決意と覚悟を語るブラボー。
「命を…諦めてくれないか?カズキ…」
それはブラボーの最後通告。
自分が死をまき散らす存在になる。自分は消えるべき存在。でも、せめてそれまでの6週間を人間として過ごさせて欲しい。そんな願いも虚しく、カズキはそれを勝ち取るためにブラボーと戦うことに。
扱いやすく、それでいてより強力に進化したサンライト・ハート。しかし、それでもブラボーのシルバースキンを貫くには至らず、更に、無敵の拘束衣シルバースキン・リバースによって動きを封じられたカズキ。それはヴィクター化によるエネルギードレインさえ通さなかった。
ブラボーの剛拳を受けたカズキはその手によって断崖絶壁から海に捨てられる。
「命を諦めてくれないか?」ブラボーのこの言葉の意味は計り知れない。
カズキがそれに応じれば、ブラボーはカズキを殺し黒い核鉄を回収したに違いない。それはカズキが人間を止めた蝶野を殺したのと同じ、一人の命を犠牲にして多くの命を救うという「偽善」。そして、ブラボーにはそれを背負う覚悟があった。
しかし、そうはならなかった。ブラボーもそれを望んでいたはず。だが、解決方法を示せない以上、ここでカズキを見逃すことは自分の信念を曲げること。だからこそ、ブラボーは全力でカズキを迎え撃つ。
あくまで「迎え撃つ」ブラボー。それは対ヴィクターの模擬戦として、シルバースキンの性能がどこまで通じるかの実験。ヴィクター化したカズキの全力が自分に全く通用しない。それはそのままヴィクター戦の勝算が上がっていくことを意味していた。しかし、ブラボーは心のどこかでカズキが自分をうち破ってくれることを期待していたのかも知れない。
だが、結果はシルバースキンの無敵を証明。カズキは決して自分に勝てない。ならこれ以上苦しめる意味を無かった。一撃でカズキを楽にしてやる。それでも、ブラボーは一縷の望みをかけた。核鉄を取り出さず、海に捨てる。そして、それは自分の信念への最大限の譲歩だった。見逃したわけではない。自分は確かにカズキを殺した。息を吹き返すかどうかはカズキの運次第だが常識的に考えて、あの状態で海に落とされて生還できるわけがない…しかし、それでももしかしたら…あまりにも分の悪い賭けだった。
だからこそ、カズキが生還出来たなら…自分は何をすべきなのか?
…などとブラボーの心境を勝手に妄想して代弁してみたけど、合ってるかどうかは保証無し(笑)
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